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54年の歴史に終止符 関電トンネル無軌条電車ラストラン

JUGEMテーマ:旅行

 

2018年11月30日

 

KIMG0309.jpg

破砕帯からの大量出水で難工事の末に開通した関電トンネルを走行する、1964年8月1日から運行された関電トンネルのトロリーバス。

多くの殉職者、知恵、土木技術を活かしトンネルを貫通させ開業。

開業以来、無事故で運行をし、多くの観光客を乗せて走ってきました。

それも見納めです。

扇沢駅関電トロリーバス

 

残るトロリーバスは立山側のみになります。

トロリーバスはバスの見た目ですが、法令区分上は鉄道に分類されます。

今回は最終便の乗車記録を秘書艦の飛龍と共にお送りいたします。

 

……その前にトロリーバスについてサクッと説明を。

2本のポールから直流電気を取り、モーターを動かします。昔は東京や横浜でも走っていたそうです。

排ガスを出さないので、環境にやさしいです。このことから国立公園内を走行する2本に採用されていました。

今回、このトロリーは電気バスになります。このため、鉄道事業は廃止し、バス事業になります。

▲集電用のポール。片方が+、もう片方が−になっている。

朝8時

扇沢駅

飛龍「ふあぁ……、眠いです……」

「しょうがない。こうでもしないと最終便には乗れないんだから。」

すでに行列が形成されている。幸いにも朝6時半から並んでいたので前のほうで確実に入手できる位置に並べた。

KIMG0304.jpg

無事に整理券を受け取り、ほっと一息。

1度、下で朝食を食べるために扇沢から降りる。

飛龍「提督、来たついでなのでどこか面白い場所に」

「ならヤナバスキー場前(臨)駅に行くか」

飛龍「……また駅ですか?しかも、どこですか?その駅……」

「まー、そうなるな」

ヤナバスキー場前。大糸線にある期間限定で停車する臨時駅である。

が、ここ数年は駅名のスキー場が閉鎖。そのため営業していない。

飛龍「鬼!悪魔!鬼畜!こんな何もなく寒いところに連れてくるなんて!!」

「おいおい、今でそんなこと言ってたら午後に行く黒部ダムはもっと寒いぞ……」

※この日の朝、室堂の映像は真っ白でした。黒部ダムのライブ映像には雪が映っていました。

DSC_0343syukusyou.JPG

DSC_0350.JPG

特急あずさと普通列車が通過するのを眺めて移動する。

飛龍「そういえば来る途中に趣のある駅がありましたね。」

「あぁ、海の口駅か。行ってみる?」

飛龍「うん!いこいこ!中に入れば寒くないだろうし」

 

到着。着くとすぐに列車接近のアナウンスが流れた。

「あれ……?こんな時間に列車なんてないんだけど……?」

飛龍「なんか白い変なのが見えましたけど?」

「まさかね……。そんな偶然、撮れるわけ……」

DSC_0354.JPG

「来ちゃったよ!撮れちゃったよ!」

飛龍「?なんですかこれ」

「検測車、レールとか架線とかを見る車両」

飛龍「ほぇー、なんかすごいですねぇ」

海の口駅

DSC_0365c.JPG

DSC_0366c.JPG

DSC_0362c.JPG

飛龍「無人駅ですけど、いい感じの木造駅舎ですね。」

「なんか、懐かしくて落ち着く駅舎だな。」

「そういえば今日、リゾートふるさとの運転日らしいぞ」

飛龍「リゾートふるさとですか。どんな列車なんです?」

「まー待っていればわかるさ。」

DSC_0370c.JPG

飛龍「なんかこじゃれた列車が来ましたけど」

「うん、これよ。リゾートふるさと」

飛龍「あっ!なんか中で取材やってるみたいですよ!」

「旅番組の撮影でもやってるんかなー」

飛龍「運転停車だけして行っちゃいました」

「景色のために停車したんだろう。観光列車ではよくあることよ」

「さて、そろそろメインに向かうぞ」

飛龍「はーい!」

 

再びの扇沢駅

「改札に行く前にお土産は見ておけー。最終で戻るから売店見れるのは今だけだぞー」

飛龍「はーい」

記念撮影ポイント。カウントダウンは最終日であることを告げていた。

いよいよ、長野側での使命を終える日が来たのだ。

トロリーバスのミニ歴史展と映画『黒部の太陽』特集が撮影スポットの横で行われていた。

飛龍「ほえぇー、映画にもなったんですね」

「これから乗るトンネルは国内屈指の難工事だったんだよ」

飛龍「そうなんですか?」

「うん。破砕帯っていう場所に当たって大量の湧き水と土砂が噴出して来たんだよ。」

「その水が今では天然水だけど、工事中はとても厄介な存在だった。」

「何人もの作業員が殉職し、日本の当時としては最新の土木技術を活用して作られた。」

飛龍「そんなにすごかったんですか……」

「上に慰霊碑があるから一礼しておかないとな」

 

改札口

放送「只今より13時ちょうど発の改札を開始します。ご利用のお客様は改札口へお越しください。」

「お願いします」

飛龍「お願いしまーす」

駅員「はい。行ってらっしゃいませ。」

KIMG0307.jpg

飛龍「これがトロリーバスですか」

「そうだ。」

飛龍「見た目、バスですね。架線があること以外は」

「法律上はバスではなく、鉄道扱い。立派な鉄道だ」

飛龍「レールがないのに鉄道って結構、違和感ありますね」

「でもそこが面白い」

飛龍「中は完全にバスですね」

「思ったよりもバスだ」

あれこれしているうちに発車時間に……。

駅員「13時発、黒部ダム行きドア閉まります!」

ベルが鳴り、ドアが閉まる。

飛龍「出発のさせ方はまんま鉄道ですね」

「信号機もあるしな」

『ファン』

トロリーバス独特のクラクションに近い汽笛を鳴らし、先頭から順番に動き始める。

飛龍「1台ずつ間隔を開けて運転するんですね」

「そうみたいだな。この1まとまりで1列車って扱いだな。」

飛龍「動きましたよ!普通の電車の音がする!」

「おお!なんだか不思議な感覚!」

飛龍「あれ?いきなりゆっくりになりましたけど……」

少しすると……

『バコン!』

飛龍「!?今の音なんですか!?」

「あー、フロック通過したんだね」

飛龍「……フロック?」

「簡単にいうと架線の分岐点」

架線が分岐する地点。ここはトロリーポールが外れやすいので、速度を落として通過する。ちなみに通過時には大きな音とともに、火花も出る。

「あと何か所か通るはずだぞー」

飛龍「まだあるんですか!?」

その後、トロリーはトンネルに入り、どんどん上っていく。

飛龍「あっ!青い光の帯が見えてきましたよ!」

「いよいよか」

飛龍「?」

「飛龍、最初の文字をよく見ておけ。このトンネル工事の一番の難所だったところだ。」

破砕帯。関電トンネルと立山トンネルの両方で建設の行く手を阻んだ地層。

大量の出水と土砂で工事を妨げてきた。また、この破砕帯に遭遇した際、工事個所が崩落したこともある。

距離で言えばたったの80m。だが、大量の土砂と湧き水に阻まれ、抜けるまでに7か月を要した。

詳しくは『プロジェクトX』を見てください。

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飛龍「破砕帯……。これがあの……」

「そうだ。この難関を突破して、黒部ダムまで貫通させた」

さらに少し走ると……

飛龍「富山県ですよ!」

「いよいよ県境を越えたか。もうそろそろあの場所かな」

トロリーが速度を落とす。

オレンジのランプが見えてくる。

「貫通点」

飛龍「ここで最後の発破をかけたんですよね」

「そう。最後の貫通式もここでやったんだと思う」

幾多の難工事を抜けて、ここで黒部側とつながった。

すると少し広い場所に。

「お!いよいよか!」

飛龍「いよいよ?」

先頭車

飛龍「あっ!向かい側にも同じのが!」

「ここで交換をする。つまりここが信号場」

ここで運行票の交換も行う。

向かいはオレンジから黄色へ、乗ってる編成は黄色からオレンジへ。

運行票は3種類。

黄色の扇沢⇔信号場

オレンジの信号場⇔黒部ダム

そして、もう一つ。

これは後々……。

信号場を出てしばらくすると信号機が見える。

「降りる準備しろよー。黒部ダムに着くぞー」

飛龍「はーい」

1台前のトロリーが見える。

徐々に速度を落としていき、黒部ダム駅に到着!

「とーちゃーく!」

飛龍「着いたー!」

黒部側も最後であることを告げている。

飛龍「今日が本当に最後なんですね……」

「あぁ……」

式典の会場の準備が進められていた。

飛龍「さて、途中ですがここでお水タイムです」

飛龍「提督はここまでの階段でヘトヘトという残念な状況です」

「破砕帯の水、うめぇー!!生き返るぅー!」

さらに上る。

「さぁー!展望だ」

案内板『本日、雪のため閉鎖しています』

「ノーーーーーーーー!!!!!!」

飛龍「残念でした。リベンジ確定です。」

飛龍「そのかわり中から見れるみたいですよ?」

「黒部ダムだぁーー」

飛龍「ちなみに外通路も閉鎖されていますのでまた戻ります」

「いやぁぁぁぁーーーーー!!!!!」

飛龍「さぁー!レストハウスにカレーを求めて行きますよ!」

「えぇぇぇーーーーーー!」

ズルズルと飛龍が引きずりながらレストハウスへ。

「カレーの前に」

飛龍「ここに寄りましょう」

関電トンネル(大町トンネル)殉職者慰霊碑

「このトンネルを貫き、黒四工事に携わったすべての人に敬礼!」

飛龍が海軍式敬礼をする。

本当に敬意しか出てこない。

この長いトンネルを貫き、このダムと黒四が作られたおかげで、今の日本がある。

当時、高度経済成長で電力不足が深刻だった日本。

その時、電源確保を目的にこのダムが作られた。

飛龍「さ、カレー行きますよ!」

ダムカレー。扇沢にも微妙に異なるのがあるらしい。

「グリーンカレーなのか」

飛龍「おぉー!これが噂の!」

「いただきます!放流!」

飛龍「いったさきまーす!レッツ放流!」

程よい辛味でおいしい。付け合わせとの相性もGood!

ただ、カツカレーとかがほかにあるがすべて売り切れだったのが残念……

リベンジ決定!

「ところで飛龍、扇沢から頭にのせてるそのぬいぐるみは……?」

飛龍「これですか?ライチョウのぬいぐるみ2Lサイズです!」

「あっ!でっかいのは!?」

飛龍「売り切れでしたのでリベンジです!」

「トホホ……デカいの終わってたか……」

食べ終えて、外へ。

デカい。とにかくでかい。

「ひえぇぇ……高い……」

飛龍「オシオキで吊るすにはよさそうですね」ニヤリ

「やめてくれ……マジで……」

「ここが中心か」

飛龍「ど真ん中です!」

「飛龍!好きだぁー!」

黒部ダムの中心で愛を叫ぶ。

飛龍「ちょ、やめてくださいよ!みなさんこっちを見てる!」

「ここにきたらやることはただ一つ!」

飛龍「?」

 

「トローリー!」

 

 

飛龍「オーー

 

ー!」

 

フラッシュ禁止の文字が……。

風景だと発色変わるのにどうして使いたがるんだろう……?

「もう少し、上に行きますよっと」

飛龍「これはケーブルカーですね!」

「これで黒部平まで」

飛龍「おぉー!綺麗です!」

「こんなに天気がいいとは。……立山は真っ白で見えないけど……」

飛龍「見れたので、戻ります!寒いし!」

帰りのケーブルは上の室堂などから降りてきた、アルペンルートの職員でごった返した。

冬季閉鎖のためだろう。全員下山をしているようだ。

明日からこの山は来年の春まで深い雪の眠りにつく。

それだけこの一帯が厳しい雪に見舞われることを意味している。

 

再び黒部ダム駅。

人でごった返している。

飛龍「いよいよ……ですね……」

「あぁ……、本当の乗り納めだ……」

式が粛々と進んでいく。

くすだまが割られた後、最後の『運行票』が交付された。

最後は青色。

運行票C(扇沢⇔黒部ダム直行)

最終便の改札が始まる。

DSC_0596c.JPG

飛龍「これで本当に……」

「あぁ、長野県側は役目を電気バスに引き継ぐ……」

飛龍「最後は笑顔で!ねっ!」

多くのご来賓の間を通り、最後の改札口へ。

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「お願いします!」

飛龍「お願いします!」

駅員「今までのご愛顧ありがとうございました。」

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6台、連ねて最後のトロリーバスがホームに止まっていた。

その中で一般乗客が乗れる一番後ろに乗り込む。

本当の最後はご来賓が乗車されるようだ。

続々と乗り込む乗客。

「本当に……」

飛龍「最後です!」

『ファン!』

トロリーバス独特の汽笛を鳴らし1台目から順に出発。

16時35分

黒部ダム駅定刻発車

この動画の1:30あたりから黒部ダム発最終便の6台目が出ていく様子が映っています。

 

 

トロリーバスとしては最後になる貫通点。

同じく最後の破砕帯通過。

列車は無事に何事もなく扇沢駅へ。

運転手「ご乗車、ありがとうございました。間もなく終点扇沢でございます。

関電トンネルトロリーバスラストランも間もなく終了でございます。

54年間にわたりまして皆様にご愛顧いただきまして誠にありがとうございました。

私自身も非常にさみしく、切ない思いでいっぱいでございます。

ですが、来年から新しい電気バスとなります。皆様のご利用、誠にお待ちしております。

本日はこの遠いアルペンルートにまで足をお運び頂き誠にありがとうございました。

どうぞ皆様、お気をつけてお帰りください。ありがとうございました。」

車内が拍手に包まれる。

飛龍も無言でただただ拍手を送る。

その拍手はさまざまな思いが込められているだろう。

運転手への感謝……、車両への感謝……、トロリーバスを整備している人、駅員、出札係、指令室、保線などの作業員、長年、無事故で運行できたこと、全ての人への感謝の思いが込められた拍手だ。

そして、何よりもこのトンネルを掘削した皆様、開業に尽力された皆様への感謝だと思う。

今、扇沢駅の場内信号機を越えた。

ゆっくりと速度を落とす。

『バコン!』

最後のフロックを通過した。

そして、ゆっくりと扇沢駅に到着した。

駅員「ご乗車、ありがとうございました。扇沢、扇沢でございます」

6台中5台が扇沢に到着する。

一番最後の最終便が到着した。

本当にこれで終わったのだ。

「……終わっちゃった」

飛龍「無事に最後まで無事故で運行できましたね」

その飛龍の目にはうっすらと光るものがあった。

運転手さんお疲れ様でした。

「名残惜しいけど帰るぞ……」

飛龍「うん……」

駅員「ご乗車、ありがとうございました。記念品になります」

「ありがとうございます」

飛龍「ありがとうございます」

 

もうトロリーバスとして時刻が出ることは無い。

 

54年間、今までお疲れ様でした。

無事故で無事終えられてよかったです。

 

ありがとう!関電トンネルトロリーバス!

さようなら!関電トンネルトロリーバス!

 

あとがき

飛龍「うえぇーーん、悲しいよー。最後を見送るってこんなに辛いことだったんだぁーーーー」グスン

「最後に立ち会ったのはこれが初めてだもんな……。でも、何回最後を見ても辛い……」

飛龍「切ないよぉーーーー……」ガシッ

「はぁ……、これはしばらく車、出せそうにもないな……。落ち着くまでこのままいるか……」

数分後……

「落ち着いたか?」

飛龍「うん……」グスン

「さ、帰るまでが旅だ。安全運転で帰りまっせ。」

こうして、帰路に着いたのでした。

 

さよなら!関電トロリーバス!惜別乗車記録 おしまい

 

長くなってしまいましたがここまで閲覧していただき、ありがとうございました。

今、全国の地方交通は財政難から廃止に追い込まれることも少なくありません。

1つでも多くの路線を残すためにも、是非、鉄道などを観光がてらで利用していただけると幸いです。

今回のトロリーバスは維持費などの関係で電気バスに転換することになったようです。

残りはこれで立山トンネルのトロリーバスになってしまいました。

もう一度行くときは、立山のほうも乗っておきたいです。

ではでは……。


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